グループ旅行で新緑の奥日光へGo。バスの終点に待っているのが、強烈なタマゴ臭と白濁したお湯が特徴の日光湯元温泉だ。湯ノ湖畔にポツポツと点在する旅館の中から、宿泊先の「スパビレッジ カマヤ」についてレポートする。
とりたてて豪華だったり今風だったりするわけではない。いたれりつくせりのサービスがあるわけでもなく、むしろセルフサービスで対応している面もある。だがもし、まっとうな温泉が目当てのグループ旅行ならば、コスパに優れた宿といえるだろう。
日光湯元温泉のある奥日光は華厳の滝~中禅寺湖~竜頭の滝~戦場ヶ原~湯ノ湖へ至る自然環境が見どころのエリア。このため駅からバスに乗って「いろは坂」を越えていかなければならない。
乗るべきバスは日光湯元温泉行き(世界遺産めぐりバスや中禅寺温泉止まりの便と間違えないように注意)。JR/東武日光駅から約90分、終点で下りる。スパビレッジ カマヤはバス停から徒歩1~2分の至近だ。温泉寺という、いかにもな名前のお寺の隣りにある。
しかも、日光駅⇔湯元温泉の全区間と表日光を回る世界遺産バスの区間が何回でも乗り降り自由だから、社寺や奥日光の各スポットへ立ち寄るにもこれ1枚でOKというすぐれもの。
JR/東武日光駅で当日買いするしか購入手段がないため忘れずに利用したい。
和室は10畳+2畳ちょっとの板の間でトイレ洗面付き。トイレはウォシュレットではないが新しめで良し。部屋に押し入れがなくて布団は畳の上に置いてあった。布団を敷くのはセルフでやることになっている。全然問題なしだ。
窓の外は何かの古い棟が立ちふさがっていて眺望はない。まあそういう要素を求めていないから別に気にしない。部屋を含めた館内全般は古びてきているが、きれいに管理されており、こちらも問題なし。
脱衣所の時点でもうタマゴ臭が鼻をついてきた。いいよいいよー。分析書には「含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩-炭酸水素塩-塩化物温泉(硫化水素型)」とあった。成分多すぎィ。どんだけ~と、おやじギャグを飛ばしたくなる。あと「中性 低張性 高温泉」とのこと。
お湯は緑がかった白濁で不透明。湯の花の存在は認識できず。中性だからか、入っても特に刺激は感じず、意外とやわらかいような気すらしてくる。そしてとにかく硫黄の匂いがすごい。見た目と匂いの印象は相当なものだ。
結構熱めのお湯なのでふぅふぅ言いながら(実際声には出さないけど)入ることになる。自分が硫黄鍋という鍋物の具になった気分。長湯するのは難しいが、このあと記す露天風呂を含めた中で最もガツンとくるのがこの内湯だった。
一方は淡緑・半透明のお湯。内湯に比べるとだいぶクリアな緑色で白濁とはいえない。温度は適温~ややぬるめ。チョロチョロとお湯が注ぎ込まれるも、浴槽内へホースが引き込まれているから、加水して冷ましているのかもしれない。それで半透明なのかも。
湯の表面には湯の花の白い粒を乗せた薄い油膜が漂っている。こいつは効きそうだぜと思いながらゆっくりつかった。この系統の泉質に長く入ってみたかったので加水していたにせよちょうどよかった。
鮮度云々はおいといて、ぬる湯を楽しむならここが最も向いている。湯の花とか油膜とか、脇役の個性が光るのもここ。自分もこの浴槽で長く粘らせてもらった。ただし冬場はきっと寒さが勝って少しも入っていられないだろう。
夕方・夜・朝と3回入って一緒になった客は2名以下。夜などは完全に独り占めだった。大変結構なり。ちなみに大浴場とは別に貸切風呂もあって、空いていれば予約なしで使っていい方式だが、貸切中のことが多かったし、もともと使う気はなかった。
我々の夕食は湯葉・魚・山菜を中心とした湖の幸コース。鱒の刺身がうまい。あとは写真にない岩魚の餡かけと天ぷらとご飯・杏仁豆腐が出てきた。岩魚は2度揚げしてあるからパリパリで、頭から尻尾まで丸ごと食べられた。
ヘルシー志向の人にはおすすめ。日光らしさを演出する湯葉が数種類のバリエーションで楽しめるし、小さい鰻が付くし、鱒と岩魚がうまい。量は十分で、ご飯にたどり着く前にお腹いっぱいになる。
記憶によれば、湯豆腐・ウインナー・ポテト・唐揚げ・ミートボールぽいもの・サラダ・オレンジ・漬け物・お粥・味噌汁・ソフトフランスパン。高原のさわやかな朝にぴったりだ。宿泊代からするとなかなか頑張っている。
利用は7時から8時半まで可。8時半に料理を下げ始めるので遅くとも8時までに行くのがよかろう。我々一行はもう年なんで、5時台に起きてさっさと風呂に入ってしまい、7時すぎに朝食をとった。しかしすでに先客はたくさんいた。おそるべし。
そういえば東武日光駅前に「かまやカフェ」なるレストランもあった。日光ではカマヤ一族が地元の有力者だったのだろうか。…まあ考えすぎだろう。
それはともかく、スパビレッジ カマヤは温泉と食事のレベルを考えるとなかなかコスパに優れた宿だ。特に少人数のグループには。湖の幸コースだと一人あたり1万円を切る設定もある。
一応ブログの謳い文句にあわせて一人旅を想定すると…もし一人泊だと6畳和室かツインルームのプランとなり、料金が1万ウン千円級になる。それをどうみるかだが、泊まった体験そのものは仮に一人旅だとしても満足のいくものだった。オフシーズンにお得なプランがないかをチェックしてみたいところである。
とりたてて豪華だったり今風だったりするわけではない。いたれりつくせりのサービスがあるわけでもなく、むしろセルフサービスで対応している面もある。だがもし、まっとうな温泉が目当てのグループ旅行ならば、コスパに優れた宿といえるだろう。
「スパビレッジ カマヤ」へのアクセス
奥日光方面バスの終点・日光湯元温泉
鉄道で日光へ向かうと、JR日光駅か東武鉄道の東武日光駅へ着くことになる。表日光という言葉があるのかどうか知らないが、駅周辺は東照宮などの社寺をもって語られるべき表のエリアである。日光湯元温泉のある奥日光は華厳の滝~中禅寺湖~竜頭の滝~戦場ヶ原~湯ノ湖へ至る自然環境が見どころのエリア。このため駅からバスに乗って「いろは坂」を越えていかなければならない。
乗るべきバスは日光湯元温泉行き(世界遺産めぐりバスや中禅寺温泉止まりの便と間違えないように注意)。JR/東武日光駅から約90分、終点で下りる。スパビレッジ カマヤはバス停から徒歩1~2分の至近だ。温泉寺という、いかにもな名前のお寺の隣りにある。
お得な湯元温泉フリーパスがおすすめ
バスの乗車券について補足しておく。もし1泊2日の旅なら「湯元温泉フリーパス」がおすすめ。3000円で2日間有効。正規運賃だとJR/東武日光駅⇔湯元温泉の往復で3400円かかるから、往復だけで元が取れる。しかも、日光駅⇔湯元温泉の全区間と表日光を回る世界遺産バスの区間が何回でも乗り降り自由だから、社寺や奥日光の各スポットへ立ち寄るにもこれ1枚でOKというすぐれもの。
JR/東武日光駅で当日買いするしか購入手段がないため忘れずに利用したい。
質素だがきれいに管理されている館内
我ら一行はスパビレッジ カマヤに着いてチェックイン。このとき作務衣か浴衣を選んで館内着を受け取る。予約した部屋は2階の禁煙和室。2階が禁煙、3階が喫煙可と部屋が分かれている。エレベーターはない。和室は10畳+2畳ちょっとの板の間でトイレ洗面付き。トイレはウォシュレットではないが新しめで良し。部屋に押し入れがなくて布団は畳の上に置いてあった。布団を敷くのはセルフでやることになっている。全然問題なしだ。
窓の外は何かの古い棟が立ちふさがっていて眺望はない。まあそういう要素を求めていないから別に気にしない。部屋を含めた館内全般は古びてきているが、きれいに管理されており、こちらも問題なし。
これぞ本格派! 硫黄&白濁&グリーンの温泉
成分だらけの硫黄泉
作務衣に着替えたらさっそく大浴場へ。ここ日光湯元温泉は昭和29年に国民保養温泉地第1号に指定されたうちの1つ。本格派の温泉として太鼓判を押されたお湯とはどんなものか、大きな期待を持って男湯の暖簾をくぐった。脱衣所の時点でもうタマゴ臭が鼻をついてきた。いいよいいよー。分析書には「含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩-炭酸水素塩-塩化物温泉(硫化水素型)」とあった。成分多すぎィ。どんだけ~と、おやじギャグを飛ばしたくなる。あと「中性 低張性 高温泉」とのこと。
内湯は熱めの白濁
浴室内はさらに強いタマゴ臭がぷんぷん。8名分の洗い場とサウナ室と5名規模の浴槽があった。大きい湯口は流れが止まって(枯れて)いて、反対側の小さなパイプからチョロチョロと源泉が掛け流されていた。あちこちに硫黄の析出物が見て取れる。お湯は緑がかった白濁で不透明。湯の花の存在は認識できず。中性だからか、入っても特に刺激は感じず、意外とやわらかいような気すらしてくる。そしてとにかく硫黄の匂いがすごい。見た目と匂いの印象は相当なものだ。
結構熱めのお湯なのでふぅふぅ言いながら(実際声には出さないけど)入ることになる。自分が硫黄鍋という鍋物の具になった気分。長湯するのは難しいが、このあと記す露天風呂を含めた中で最もガツンとくるのがこの内湯だった。
第1露天はクリアな緑色のぬる湯
浴室の奥のドアから露天へ出ることができる。露天風呂は仕切りによって完全に2つの浴槽に分けられていた。一方は淡緑・半透明のお湯。内湯に比べるとだいぶクリアな緑色で白濁とはいえない。温度は適温~ややぬるめ。チョロチョロとお湯が注ぎ込まれるも、浴槽内へホースが引き込まれているから、加水して冷ましているのかもしれない。それで半透明なのかも。
湯の表面には湯の花の白い粒を乗せた薄い油膜が漂っている。こいつは効きそうだぜと思いながらゆっくりつかった。この系統の泉質に長く入ってみたかったので加水していたにせよちょうどよかった。
最もぬるい第2露天は湯の花まみれ
もう一方はさらに淡くクリアになったお湯。湯の花と油膜の量は倍増している。浴槽に注ぎ込む湯はなく、中の温度ははっきりとぬるい。最初に浴槽に湯を溜めておいてそのままにしてある感じ。鮮度云々はおいといて、ぬる湯を楽しむならここが最も向いている。湯の花とか油膜とか、脇役の個性が光るのもここ。自分もこの浴槽で長く粘らせてもらった。ただし冬場はきっと寒さが勝って少しも入っていられないだろう。
夕方・夜・朝と3回入って一緒になった客は2名以下。夜などは完全に独り占めだった。大変結構なり。ちなみに大浴場とは別に貸切風呂もあって、空いていれば予約なしで使っていい方式だが、貸切中のことが多かったし、もともと使う気はなかった。
お値段以上の食事はGood
ヘルシーな湖の幸コース
スパビレッジ カマヤの食事は朝夕ともフロント前の食堂で。夕食は部屋ごとに席が決められている。朝は自由だけど、みんな前夜の席をそのまま使っていた。我々の夕食は湯葉・魚・山菜を中心とした湖の幸コース。鱒の刺身がうまい。あとは写真にない岩魚の餡かけと天ぷらとご飯・杏仁豆腐が出てきた。岩魚は2度揚げしてあるからパリパリで、頭から尻尾まで丸ごと食べられた。
ヘルシー志向の人にはおすすめ。日光らしさを演出する湯葉が数種類のバリエーションで楽しめるし、小さい鰻が付くし、鱒と岩魚がうまい。量は十分で、ご飯にたどり着く前にお腹いっぱいになる。
ガッツリお肉な山の幸コース
肉々しくいきたい人は肉料理中心の山の幸コースをどうぞ。隣席の高齢者グループはガッツリ肉であった。食堂を見渡す限り、客層は高齢者同士か、乳幼児連れファミリーかで二極化しているように見えた。朝食はビュッフェ形式
朝食は…うん…写真を撮り忘れたね。ビュッフェ形式である。焼き鮭?(鱒?)が各自に一皿ずつ配膳される以外は自由に料理を取りに行く。記憶によれば、湯豆腐・ウインナー・ポテト・唐揚げ・ミートボールぽいもの・サラダ・オレンジ・漬け物・お粥・味噌汁・ソフトフランスパン。高原のさわやかな朝にぴったりだ。宿泊代からするとなかなか頑張っている。
利用は7時から8時半まで可。8時半に料理を下げ始めるので遅くとも8時までに行くのがよかろう。我々一行はもう年なんで、5時台に起きてさっさと風呂に入ってしまい、7時すぎに朝食をとった。しかしすでに先客はたくさんいた。おそるべし。
小人数グループ向けの良コスパ宿
当宿の玄関脇にある従業員詰め所のような部屋に「釜屋旅館」と書かれた古い看板が置いてあるのが見えた。そして日光湯元温泉には「湯守釜屋」という別の旅館がある。当宿と何か関係があるのだろうか。そういえば東武日光駅前に「かまやカフェ」なるレストランもあった。日光ではカマヤ一族が地元の有力者だったのだろうか。…まあ考えすぎだろう。
それはともかく、スパビレッジ カマヤは温泉と食事のレベルを考えるとなかなかコスパに優れた宿だ。特に少人数のグループには。湖の幸コースだと一人あたり1万円を切る設定もある。
一応ブログの謳い文句にあわせて一人旅を想定すると…もし一人泊だと6畳和室かツインルームのプランとなり、料金が1万ウン千円級になる。それをどうみるかだが、泊まった体験そのものは仮に一人旅だとしても満足のいくものだった。オフシーズンにお得なプランがないかをチェックしてみたいところである。