「府中駅前天然温泉 縄文の湯」はちょっと贅沢な大人の“黒”

府中 縄文の湯
今年のゴールデンウィークは仕事&自宅でごろごろ。とはいえ少しは温泉旅行気分を味わいたい。ということで「府中駅前天然温泉 縄文の湯」へ単身、日帰り入浴に行ってきた。

えっ、ここで温泉? と驚くほどの駅近・駅前繁華街のビルの高層階に、こんないいお湯が? と驚くほど本格的な温泉が提供されていた。

府中の超駅近・オトナ向け施設「縄文の湯」

温泉への入り口は駅前ビル6階

京王線・府中駅の南口。大國魂神社方面へ徒歩1~2分でもう縄文の湯のビルに着いてしまった。なんだこの立地は。とても温泉があるようには見えないぞ。

ビルの1~5階はドラッグストア・飲食・ネットカフェ・スポーツジムなど。縄文の湯は6階から上のフロアを占めている。さっそくエレベータで6階受け付けへ。

醸し出されるグレード感

よくあるパターンで、下足箱に靴をしまって受付で入場料を払い、鍵付き腕輪を受け取る。予想外だったのは最初に会員登録をすること(入会費・年会費はかからない)。名前や連絡先を記入する。

1回の利用料は平日2400円。休日だとプラス500円だ。タオル・バスタオル・館内着付きとはいえお高いですね。会員制の体裁と考え合わせると、相応に本気のオトナをターゲットにしているのだろう。じじつ小学生以下のお子様や未成年のみの入館はお断りしている。

そのようなマーケティング戦略で館内を安っぽい雰囲気にしておくわけにはいかない。さすがに落ち着いたシックなデザインで統一されている。あちこちに使われている天然木は縄文杉…ってことはないが。


ヌメる真っ黒な湯は本格的

炭推しです

受付から12階の男性ロッカールームへ行く。腕輪の番号に対応したロッカーに服や荷物をしまって館内着に着替えてから、専用階段を下りて11階の男湯へ。このフロアにいわゆる脱衣所がある。めんどくせえとばかりに裸で12階と行き来するおじいさんもいたが。

浴室に入るとまず10数名規模の洗い場。シャンプーやボディソープが炭のやつだった。そういえば受付でも炭の香りがしていた。さすがアダルティーですな。

温度の異なる3種類の内湯+熱めの露天

続く水風呂とサウナはスルーした。その先に5~6人規模のジェットバスとぬる湯槽、さらにひと回り大きいメイン槽。これらにはすべて温泉が注がれている。各浴槽に湯温がLED表示されていて、ぬる湯槽は39℃前後でメイン槽は41℃弱でジェットバスはその中間くらいだった。

さらに奥の隅っこの仕切られた一角に3~4人規模の半露天浴槽があった。ここは43℃前後で熱い。たいがいの人は半身浴的に使っていた。安全&風よけのパネルが身長くらいの高さまであるから開放感はいまいち。

際立つ黒さ

ぬる湯→メイン→露天とローテーションして、温度以外は似た浴感。褐色を感じさせる赤みが少なくて無彩色に近い、墨汁をやや薄めた感じの文字通りの黒湯。ほとんど不透明で深さの半分先も見えない。

そしてわりとヌメリがある。塩素臭は感じられず、お湯をすくって鼻を近づけると、この泉質に特有のモール臭が半分、言葉は悪いが汗のような臭いが半分。

マイペースで楽しめる

温泉成分が効いてる感じはした。分析書には「ナトリウム塩化物泉・炭酸水素塩泉、低張性弱アルカリ」とあった。お高いのが幸いして人口密度はそれほど高くないので好きな浴槽で好きなだけ楽しむことができた。自分の場合はぬる湯槽ね。

ひと通り満足してから上がると、最初は肌がぬるぬるして乾いてくるとすべすべになった。そして体がポカポカする効果が長く残る。いい湯だった。


料金分は滞在したい…

仮眠もできるお休み処

いったん8階のお休み処で休憩とした。テレビ付きのリクライニングシートがずらっと並ぶ部屋は真っ暗で(自分のところだけ読書灯で明るくすることはできる)、テレビの音も抑え気味で、相応のオトナ客層らしく落ち着いた雰囲気に包まれていた。

数は少ないながらコミックや雑誌も置いてある。それらを読んでいるうちにウトウトしてしまった。日常の喧騒を忘れるにはちょうどいいね。ガチ寝の人がそこそこいるから、いびき席の隣にならないことが条件だけど。

食事処でちびりちびり

2時間あけて再び温泉に入り、最後に7階の食事処へ行った。ぼっち席はないので混雑時に一人だと気後れしそう。幸いすいてたので助かった。ビールとつまみをマイペースで飲んで食べてご満悦。〆のざるそばは写真だとそば湯が付いていたのに出てこなかった…。お代は腕輪の番号で一括精算。

結局4時間ちょっとの滞在で入浴2回+休憩+ちょい呑み。もうちょっと長居しないともったいなかったかなと思うのは自分の貧乏性からだろう。

宿泊に使う手もあり

ネット情報によれば、ここで一晩過ごす…つまり、カプセルホテルよりリッチな気分で・ビジネスホテルよりも安く・温泉を楽しめる宿泊所としての使い方が賢いようだ(ただし深夜料金が別途1500円かかる)。

たしかに日帰り入浴の側面だけを見るとお高いのだが、黒湯+ぬるぬるのお湯は本格的だし、会員になっちゃったことだし、また来るかもしれない。交通の便がよいのは大きな強みである。


おまけ:大國魂神社に行ってみた

府中へ来たついでに大國魂神社へ行ってみた。くらやみ祭という祭事があった関係で参道には露店がずらっと並んでいて子供連れがたくさん歩いていた。

境内はそんなに広くない。入口には「プロの写真家による商業目的の無許可撮影禁止」の立て札があった。まあ自分は素人なんで大丈夫だろう。
大國魂神社
中では普通にお参りしたが、この近くには府中競馬場がある。きっと「馬券が当たりますように」と願う人が一定数いるんじゃないだろうか。当たるも八卦当たらぬも八卦、さてどうなりますか。