西日本を代表する温泉地である有馬温泉。一人旅で行くには敷居が高いが、とある仲間内で企画された関西ツアーに参加して体験することができた。 人々の賑わいと奥座敷感あふれる温泉街の情緒はさすが。
宿泊先は利便性の良い場所にある「有馬御苑」。この地の相場を考えれば比較的リーズナブルなお値段で著名なお湯と神戸ビーフを楽しめた。金泉って結構赤いのね。
結構山深いところをくねくねと続く道を延々走って、どんどん標高も上がっていった。こりゃずいぶんワイルドなところに来ちゃったなと思っていたら、とつぜん別荘地ぽい開けたところへ出て、やがて賑やかな温泉街が現れた。
まずエレベータで7階へ上がる(この階に大浴場があった)。そして渡り廊下で別館へ移動。別館側にはラウンジやカラオケボックスや卓球台があった。温泉卓球とは懐かしいね。一行の部屋はここから2つか3つ階を上がったフロアの和室。たぶん12畳+6畳タイプじゃないかな。
部屋はグループの人数に対しても十分広くて余裕がある。もちろんトイレ洗面付き。その他にも温泉旅館のアメニティはひと通り整っている。快適に過ごせるだろう。
大規模旅館にふさわしく浴室は広い。一面に大きくとってある窓のおかげで明るく開放感があって気持ちがいい。洗い場はたくさんある。中央にすごく広いタイル張りの浴槽と左手奥に小さい岩風呂があった。広い方は温泉ではない普通のお湯ではないかと思う。
有馬金泉もそういうお上品な色なんだろうと勝手に思っていたら、そうではなかった。むしろドギツいほどの赤~オレンジ寄りの茶色と徹底的な不透明さ。ラーメンにたとえるなら「こってりスープ」だ。うーむ、こいつは効きそう。
小浴槽につかってみた。少し金気臭はするけれどそれほど強くはない。岩のすき間から流れ落ちる演出で注がれるお湯は熱すぎずぬるすぎずの適温。体がじわじわ温まる。温泉成分もじわじわ染みてくる気分になる。効くわー。
温泉目当てならここにずっと居座るのだろうが、長湯する泉質じゃないし、利用者数に対して浴槽に余裕はないから、適当に譲ってあげましょう。
やさしい湯でゆっくりつかるのに向くものの、やはり長時間独占していい感じじゃないので、適当なところで譲ってあげましょう。
ところで、風呂には夕方・夜・朝と3回入って、朝が一番混んでいた。こういう傾向の宿は初めてだ。朝6時過ぎに行ったら浴場入り口に多数のスリッパがずらりと並んでいたのを目にしたときはびびった。…こりゃやべえ…幸いにして中は芋洗いレベルではなかったが「うわー混んでるなー」とはっきり意識するレベルだった。たまたま?
食事中に神戸牛とは何か? が話題になった。まさか神戸市内で牛を飼うわけではあるまい。おしながきの口上やグーグル先生によれば、主に兵庫県北部で生産された但馬牛(これ自体がブランド牛)の中でも特に厳しい基準をクリアしたものだけが神戸牛を名乗れるとのこと。
まさにキングオブキングス。そんな頂点の牛肉をいま自分は食べようとしているッ!! と、いささか興奮気味に3枚しゃぶしゃぶしたところでクライマックスはあっさり終了。まあ我らのお財布事情だとこれが限界。
しゃぶしゃぶ肉にしてはしっかりした肉質感がありつつも柔らかくて大変美味しゅうございました。他の料理もうまく季節感を取り入れて上品かつ丁寧に作り上げられていた。
待つ間に1階のお土産コーナーをのぞくことにした。チェックイン時に5%割引券をくれたのでどうせ買うなら使わにゃ損。やたら買い込まないように、荷物の負担にならないように慎重に選定して、ゆず風味のきのこ佃煮をチョイス。
ちなみに有馬温泉の有名なお土産の一つが「炭酸せんべい」。銀泉には放射能泉の系統以外に炭酸泉の系統もあり、その炭酸を利用して作るらしい。試食してみたがもちろんシュワシュワするわけではない。
そういえば清涼飲料水「ウィルキンソン・タンサン」はこの近隣地域で製造しているんじゃなかったっけ。採取している炭酸水が有馬の銀泉と同じ根っこだとするとロマンのある話だ。もしこれが金泉由来の「ウィルキンソン・キンセン」だったらとても飲めたもんじゃないだろう。
【この旅行に関する他の記事】
【参考:日本三名泉】
【参考:日本三大薬湯】
宿泊先は利便性の良い場所にある「有馬御苑」。この地の相場を考えれば比較的リーズナブルなお値段で著名なお湯と神戸ビーフを楽しめた。金泉って結構赤いのね。
温泉街の起点に立つ有馬御苑
裏ルートで有馬温泉へ
有馬温泉まで公共交通機関で行くには、神戸の三宮や新開地方面から鉄道で登ってくるのが普通だと思う。そのものずばりの「有馬温泉」駅がある。しかし我々一行は旅程の都合があって宝塚方面から乗り込むこととなった(本数は少ないながらバスが出ている)。結構山深いところをくねくねと続く道を延々走って、どんどん標高も上がっていった。こりゃずいぶんワイルドなところに来ちゃったなと思っていたら、とつぜん別荘地ぽい開けたところへ出て、やがて賑やかな温泉街が現れた。
本館と別館からなる有馬御苑
今宵の宿「有馬御苑」は温泉駅から徒歩数分の便利な場所にあって、表向きの外観は7階建てに見える。しかしこれは本館。裏で別館とつながっている。チェックインして案内された部屋は別館だった。まずエレベータで7階へ上がる(この階に大浴場があった)。そして渡り廊下で別館へ移動。別館側にはラウンジやカラオケボックスや卓球台があった。温泉卓球とは懐かしいね。一行の部屋はここから2つか3つ階を上がったフロアの和室。たぶん12畳+6畳タイプじゃないかな。
部屋はグループの人数に対しても十分広くて余裕がある。もちろんトイレ洗面付き。その他にも温泉旅館のアメニティはひと通り整っている。快適に過ごせるだろう。
憧れの有馬温泉を体験
開放感ある広い大浴場
さっそく本館7階の大浴場へ行ってみた。温泉めぐりを始めてまだ日が浅いのに、早くも名高い有馬の湯を体験できるとは…わくわくしながら脱衣所の分析書を見ると、「含鉄-ナトリウム-塩化物強塩泉、高張性、中性、高温泉」とあった。大規模旅館にふさわしく浴室は広い。一面に大きくとってある窓のおかげで明るく開放感があって気持ちがいい。洗い場はたくさんある。中央にすごく広いタイル張りの浴槽と左手奥に小さい岩風呂があった。広い方は温泉ではない普通のお湯ではないかと思う。
こってりスープのような金泉が染みわたる
小さい浴槽はいわゆる金泉。鉄分を含んだ濁り湯だ。想像していたよりも赤くて不透明なので驚いた。このツアー企画の前乗りで滋賀の須賀谷温泉に泊まったのだが、そちらは含鉄泉でも黄色寄りの茶色で半透明になっており、「金の湯」という言葉のイメージに近い。有馬金泉もそういうお上品な色なんだろうと勝手に思っていたら、そうではなかった。むしろドギツいほどの赤~オレンジ寄りの茶色と徹底的な不透明さ。ラーメンにたとえるなら「こってりスープ」だ。うーむ、こいつは効きそう。
小浴槽につかってみた。少し金気臭はするけれどそれほど強くはない。岩のすき間から流れ落ちる演出で注がれるお湯は熱すぎずぬるすぎずの適温。体がじわじわ温まる。温泉成分もじわじわ染みてくる気分になる。効くわー。
温泉目当てならここにずっと居座るのだろうが、長湯する泉質じゃないし、利用者数に対して浴槽に余裕はないから、適当に譲ってあげましょう。
銀泉の檜風呂でリラックス
大浴場には露天風呂もある。3名で一杯一杯の大きさだが立派な檜風呂だ。檜の香りでリラックス効果ばっちり。お湯は無色透明のいわゆる銀泉。分類的には放射能泉にあたる。やさしい湯でゆっくりつかるのに向くものの、やはり長時間独占していい感じじゃないので、適当なところで譲ってあげましょう。
ところで、風呂には夕方・夜・朝と3回入って、朝が一番混んでいた。こういう傾向の宿は初めてだ。朝6時過ぎに行ったら浴場入り口に多数のスリッパがずらりと並んでいたのを目にしたときはびびった。…こりゃやべえ…幸いにして中は芋洗いレベルではなかったが「うわー混んでるなー」とはっきり意識するレベルだった。たまたま?
自慢の神戸牛をしゃぶしゃぶで
肉の王に謁見す
食事は朝夕とも同じ個室にて。夕食は神戸牛のしゃぶしゃぶをメインとする春の会席料理。神戸牛…ブランドの力はすごいもので、このワードに反応して、おいら贅沢しちゃってるぜーと気分が高揚する。我ながら単純だ。食事中に神戸牛とは何か? が話題になった。まさか神戸市内で牛を飼うわけではあるまい。おしながきの口上やグーグル先生によれば、主に兵庫県北部で生産された但馬牛(これ自体がブランド牛)の中でも特に厳しい基準をクリアしたものだけが神戸牛を名乗れるとのこと。
まさにキングオブキングス。そんな頂点の牛肉をいま自分は食べようとしているッ!! と、いささか興奮気味に3枚しゃぶしゃぶしたところでクライマックスはあっさり終了。まあ我らのお財布事情だとこれが限界。
しゃぶしゃぶ肉にしてはしっかりした肉質感がありつつも柔らかくて大変美味しゅうございました。他の料理もうまく季節感を取り入れて上品かつ丁寧に作り上げられていた。
朝はさっぱりと
朝食はおとなしめ。魚を網で炙るようになっていた。あとサラダがでかい。朝はこれくらいで十分だ。銀泉の意外な活用法
チェックアウトの際に少し離れたロープウェーの駅まで送ってもらえるか頼んでみたところ、チェックアウト業務が落ち着く10時過ぎならいいですよ、ということになった。待つ間に1階のお土産コーナーをのぞくことにした。チェックイン時に5%割引券をくれたのでどうせ買うなら使わにゃ損。やたら買い込まないように、荷物の負担にならないように慎重に選定して、ゆず風味のきのこ佃煮をチョイス。
ちなみに有馬温泉の有名なお土産の一つが「炭酸せんべい」。銀泉には放射能泉の系統以外に炭酸泉の系統もあり、その炭酸を利用して作るらしい。試食してみたがもちろんシュワシュワするわけではない。
そういえば清涼飲料水「ウィルキンソン・タンサン」はこの近隣地域で製造しているんじゃなかったっけ。採取している炭酸水が有馬の銀泉と同じ根っこだとするとロマンのある話だ。もしこれが金泉由来の「ウィルキンソン・キンセン」だったらとても飲めたもんじゃないだろう。
【この旅行に関する他の記事】
【参考:日本三名泉】
有馬温泉はさすが、多くの「日本三大なんとか」に数えられている。たとえば日本三名泉。残り2つは草津と下呂。
【参考:日本三古泉】
愛媛の道後・和歌山の白浜とあわせて日本三古泉ともいうらしい。
【参考:日本三大薬湯】
さらには日本三大薬湯というのにも入ってる。持ってる勲章が多すぎ。